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胸の痛みについて:その胸痛は心臓かそれ以外か?

[2024.02.29]

心臓イラスト

狛江市にある内科【やまだ総合内科クリニック】です。

胸痛と言うと多くの医師はどきっとして身構えることが多いです。この記事では医師が胸痛を診る場合の診方、一般的な原因と対応について詳しく解説します。

胸痛の種類と特徴

胸が痛い、と言った場合、医師でなくとも狭心症や心筋梗塞などの心臓に関連した胸痛は思い浮かぶと思います。緊急性が高い、見落としてはいけないものとして心臓関連の胸痛は非常に大事です。しかし胸痛といっても心臓以外の胸痛も数多くあるのが事実です。胸を皮膚の表面からそれよりも深部になるにつれてそれぞれ痛みの原因は異なります。

 

心臓に関連(心血管系)した胸痛

高血圧、糖尿病や高脂血症など動脈硬化を起こす疾患を基礎疾患にあることが多いです。運動中に起きる場合や、自律神経の動きで血圧上昇する早朝に起きる胸痛は狭心症、心筋梗塞の発症を考えます。胸痛以外にも冷や汗や嘔気、みぞおちの痛みとして胃が痛いという表現をされることも多いです。

 

心臓以外の胸痛について

胸部の表面から皮膚、神経や脂肪などの皮下組織、呼吸するための筋肉、肋骨、胸膜、心臓とそれぞれの部位が障害された場合には胸の痛みとして出てきます。

皮膚で痛みが出てくるのはウイルス疾患である帯状疱疹です。皮膚に疱疹(水ぶくれ)がでればすぐわかりますが、痛みが先行するタイプの帯状疱疹の場合、判断が難しくなります。

帯状に痛みがある時と無い時があり、経過を追う必要があります。

筋肉が痛みの原因だった場合には物理的な外力が筋肉に過剰な負担をかける時に起こるのが一般的です。ただし、呼吸筋自体は細い筋肉のため、くしゃみや咳など、いわゆる外傷でなくとも起こる場合があります。いずれにしても痛くなるタイミングはご自身で分かっていることが多いです。

肋骨の痛みの場合は筋肉と同様のエピソードで骨折(いわゆるひび)が起こることが意外と多いです、筋肉と骨の部位の違いについては肋骨の場合、ひびの入ったところから離れた同一の肋骨をたたく(打診)と疼痛部位が痛むので鑑別することが出来ます。

肋骨の内側、肺の外側に胸膜という膜があり、そこに神経があるために障害されると痛みがでます。胸膜炎という病気を聞いたことがあるかもしれませんがこれは通常、肺炎など呼吸器感染とともに起こることが多く、発熱や咳、痰などとともに胸痛が出た場合には疑います。

ちなみに胸膜の先にある肺自体には痛みを感じる神経は無いため、肺炎など肺に限った障害の時に胸痛が出ることはありません。

 

胸痛の評価と診断

先に述べた原因疾患をそれぞれ見ていくこととなりますが一番怖いのが心臓の疾患ですのでまずは心電図で異常の有無を確認します。またその時点で皮膚表面に異常が無いかの確認をしていきます。

心電図異常があれば高次医療機関への搬送となります。

心電図異常が無かった場合で、皮膚表面にも異常無い場合、身体診察でどのあたりが痛みの原因なのかを推測していきます。発熱などあった場合には採血やX線検査を行っていきます。

 

緊急性が高い胸痛の対応

胸が痛いとなった時点で救急車を呼ぶべきか、当クリニックのような医療機関に受診を考えるかは悩むところです。心臓・血管病変が何もない状況で起こることはまれであり、高血圧や糖尿病、高脂血症などの指摘がある場合、健診など未受診であるものの肥満がある場合、基礎疾患無い場合でも心・血管系の家族歴が多くある場合には救急?と考えやすくなります。また何かしら重い疾患がある場合、血圧が低下することがあります。その場合、手足が冷たくなる、冷や汗をかく、意識が変化するなどあり、その場合には救急へ電話するのが良いことが多いです。

 

まとめ

胸痛は痛みが同程度でも軽い病気から重い病気まで多岐にわたることを説明してきました。救急への受診を躊躇しないことが肝要です。一方でどこの痛みなのかわからない場合には当院への受診をお考え下さい。

内科をお探しなら、狛江市の総合内科【やまだ総合内科クリニック】までご相談ください。

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